大腸カメラ

大腸カメラについて

大腸カメラについて

下部消化管内視鏡検査は、一般的に大腸カメラと呼ばれています。この検査では、肛門から先端に高性能カメラがついた直径1cm程度チューブを挿入し、大腸全体と小腸の一部を観察します。

大腸カメラは粘膜を直接観察できるため、腹痛・便潜血・下痢・便秘・血便などの原因となる大腸ポリープや炎症性腸疾患、そして年間8万人以上が罹患し、がんの部位別では第2位になっている大腸がんを正確に診断できます。

便潜血検査や採血での腫瘍マーカー値、注腸X線検査といった従来の大腸検査では見つけることが難しかった早期発見が大腸カメラ検査では可能です。そのため、近年では大腸がんの予防と早期発見に積極的な大腸カメラ検査が推奨されています。

大腸カメラでわかる病気

大腸ポリープ、大腸がん、大腸憩室症、潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性腸炎、出血性腸炎、偽膜性腸炎、悪性リンパ腫、カルチノイド腫瘍など。

大腸がんについて

大腸がんについて大腸にできるポリープは胃とは異なり腺腫という腫瘍性のポリープが多くを占めます。大腸がんは腺がんというタイプのがんが多く、ごく一部の場合(de novo typeといいます)を除けばこの大腸腺腫が悪性化して発症します。したがって悪性化する前の段階、腺腫のうちに切除してしまうことで大腸がんの予防が可能となります。当院ではその場で切除可能なポリープに関しては日帰り手術を行なっております。(ただし出血のリスクが高いものや、サイズが大きいなどの理由で外科的切除や粘膜下層剥離術が必要なものなどではがん研病院を初めとする関連病院へ紹介させていただく場合もあります)
ちなみに 2013年にアメリカから88902人を22年間という長期間にわたり、2年おきに大腸内視鏡検査を行って大腸がんの発生率や死亡率を調べた研究の結果、大腸がん死亡を7割ほど減らすことができたとの報告がありました。2年に一回では3割の死亡が避けられなかったという見方もできるかと思いますが、定期的な大腸内視鏡検査、および腺腫の切除が大腸がん死亡を減らすことは間違いなさそうです。

当院の特徴

最新内視鏡システム

最新内視鏡システム当院では、大腸の観察性能の向上を図り、早期発見・早期治療へとつなげるため、最新式のオリンパス社製内視鏡システム【EVIS LUCERA ELITE】を導入しています。
大腸は曲がりくねっているため、内視鏡スコープの湾曲部が腸壁を押すと鈍い痛みを感じることがありますが、それを和らげるために受動湾曲部が採用されています。これにより、湾曲部が腸壁に当たると受動湾曲部が自動的にしなり、腸壁を押す力を内視鏡先端部が先へと進む力に変換するため、痛みが大幅に軽減されています。
また、スコープは柔軟である必要がありますが、柔らかすぎると力が伝わらないため、高伝達蛇管(じゃかん)という新構造を用いて負担をかけずに操作性を向上させています。
こうしたことにより、精密な検査を短時間で行うことが可能になっています。

極細径スコープ

当院で採用している大腸内視鏡はオリンパス社製のPCF-H290I(径11.3mm)、PCF-PQ260L(径9.2mm)という2種類のスコープで、いずれも大腸用の内視鏡としてはとしては細径でしなやかなタイプのものです。
太くて固いタイプの内視鏡に比べ、挿入時の不快感が大幅に軽減されているのが大きな特徴です。

二酸化炭素送気の使用

大腸カメラ検査では、しぼんだ腸を膨らませることですみずみまで観察が可能になります。通常は空気を送り込んで腸を膨らませていますが、不快な腹部膨満感が起こり、それが検査後もなかなかおさまりませんでした。当院では空気ではなく、吸収の早い二酸化炭素を使うことでおなかの張りを大幅に抑えています。二酸化炭素は吸収されやすいだけでなく呼気で自然に排出されるため、お体への負担も少なくなっています。ほとんどの場合、検査終了時にはほぼおなかの張りがなくなっており、腹部膨満感が残ることはありません。
当院では大腸カメラだけでなく、胃カメラ検査でもすべての症例に二酸化炭素を使用した検査を行っています。

大腸内視鏡後に撮影した腹部レントゲン写真です。黒っぽく見える部分が腸管内にたまったガス像です。左Aの写真が二酸化炭素を使用した検査後、右Bの写真は通常の空気を使用した検査後です。残存ガスが明らかに少ないことがご理解いただけると思います。

軽い静脈麻酔の併用

軽く居眠りをしているような浅い麻酔状態で大腸カメラ検査を行うことで、苦痛を感じないようにする方法です。静脈に鎮静剤や鎮痛剤を適量注射し、意識下鎮静法(セデーション)とも呼ばれています。
とても楽に検査を受けられるため、当院では、ご希望される方にこの方法を用いた大腸内視鏡検査を行っています。ただし、重篤な疾患がある場合や、ご高齢の方にはこの方法を用いることができない場合もあります。
意識下鎮静法での検査終了後は、可動式の検査ベッドに横たわった状態でリカバリー室に移動し、しっかり目が覚めるまでリカバリー室でゆっくりお休みいただいています。リカバリー室で目を覚ますまでの時間は30分から2時間程度と個人差があります。
なお、検査後、当日の自動車や自転車の運転は禁止です。そのため、ご来院には公共交通機関のご利用をお願いしています。

上部・下部内視鏡検査の連続実施可能

当院では、下部内視鏡(大腸カメラ)と上部内視鏡(胃カメラ)検査を同日に受けられます。同日検査では、胃カメラ検査を受けていただいた後、連続して大腸内視鏡となります。別日に改めて検査を受ける必要がないのでお忙しい方でも両検査を受けやすく、さらに薬剤費や再診費なども1回分で済むため医療費負担の圧縮もできます。

大腸ポリープ切除に対応

検査時に大腸ポリープが発見された場合、その場で切除することも可能です。大腸ポリープはがん化する恐れがありますので、切除することでがんの予防にも繋がります。また当院で対応できないものに関しては、専門病院を紹介いたします。

大腸カメラの流れ

1検査前

検査前日の昼食と夕食は、事前にお渡しした大腸検査用の食事(クリアスルーJBなど)を食べていただきます。
前日の夜21時に、下剤を服用します。

モビプレップの場合

当院ではマグコロールP、モビプレップ、ピコプレップの3種類の下剤をご用意しております。モビプレップの場合は、前日の下剤の服用はございません。具体的な説明は診察時にご説明しております。

各下剤の説明書

2検査当日

前処置

検査4時間前から2リットル程度の下剤を服用し、腸内をきれいにします。
※前処置はご自宅で行って頂きます。

検査準備

受付後、更衣室で検査着にお着替えいただき、検査直前に鎮静剤と腸の緊張をとる薬を注射します。なお、ご高齢の場合などでは、脱水予防の点滴を行う場合もあります。

3検査

ベッドに横になっていただき、肛門から内視鏡を挿入します。
盲腸までの大腸と小腸の一部を直接観察する検査の所要時間は、個人差がありますが15~20分程度です。
病変が見つかった場合には、必要に応じて組織を採取して生検を行います。
ポリープが見つかった際には、その場で切除することがあり、この場合には検査の所要時間が多少長くなります。
検査終了後は、リカバリー室で30~90分程度ゆっくりお安みいただき、鎮静剤の効果がなくなったら、全身の状態を確認した後でお着替えとなります。その後、検査内容をご説明しています。

検査費用

  1割負担 2割負担 3割負担
内視鏡検査のみ ¥ 2,500前後 ¥ 5,000前後 ¥ 7,000前後
内視鏡検査+病理組織検査 ¥ 3,500前後 ¥ 7,000前後 ¥ 10,000前後
大腸内視鏡ポリープ手術
(1臓器)
¥ 9,000前後 ¥ 1,8000前後 ¥ 27,000前後
大腸内視鏡ポリープ手術
(2臓器)
¥ 10,000前後 ¥ 20,000前後 ¥ 30,000前後
大腸内視鏡ポリープ手術
(3臓器)
¥ 11,000前後 ¥ 22,000前後 ¥ 33,000前後

使用する薬剤の種類や点滴の有無によってお値段が前後することがあります。
内視鏡検査前の診察代や事前血液検査代、その他管理料は含まれておりません。
※病理組織検査は大腸や小腸の組織を一部採取して、腫瘍細胞が含まれていないか、炎症はどの程度かなどを顕微鏡で詳細に調べます。
※大腸内視鏡検査時に大腸ポリープを切除した際は必ず病理組織検査を行い、がん細胞が含まれていないかどうかや、ポリープが完全に取りきれているかなどを顕微鏡で詳細に調べます。
※大腸内視鏡検査時に大腸ポリープを切除した際は「日帰り手術」「内視鏡手術」扱いとなりますので、民間の保険会社に加入している方で条件を満たす場合は保険金の請求が可能です。かかった金額以上の保険金が支払われるケースが多く、費用の負担が少なくて済みます。

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