禁煙外来

担当

副院長 大岩 弘子 医師

診療スケジュール

月曜、水曜、木曜、金曜

タバコによる害

タバコの煙には200種類以上の有害物質が含まれ、発癌性物質は50種類以上にのぼり、中でもよく知られているのがニコチン、タール、一酸化炭素です。その他にもアセトン、ヒ素、カドミウムなど皆さん誰もが知っている身体に非常に有害な物質がタバコの煙には含まれています。

ニコチンについて

喫煙者の中には「タバコを吸うと落ち着く」と感じる人が少なくありません。実は、タバコを吸って落ち着くのは、体内のニコチンが切れて「イライラする」状態となったところに、タバコを吸ってニコチンを取り込んだ事でイライラが解消されただけなのです。ニコチンの欠乏と補給に左右される症状が「ニコチン依存症」です。 ニコチンは依存性の強い物質です。危険薬物であるヘロインやコカインよりも依存の危険が高く、ニコチン依存症になってしまうと、使用を中止するのが非常に難しくなります。いつでもタバコをやめられると思っていたのにやめられない原因はこのニコチン依存症のせいです。 自分1人で禁煙を続けるのには限界があります。今は様々な禁煙方法がありますが、ニコチン依存症は病気です。禁煙外来で医師と相談しながら禁煙をはじめませんか。

加熱式タバコ

日本呼吸器学会は、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコについて以下のような見解を報告しています。

  1. 非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は、健康に悪影響がもたらされる可能性がある。
  2. 非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用者が呼出したエアロゾルは周囲に拡散するため、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある。

非燃焼・加熱式タバコや電子タバコは、従来型のタバコ製品(燃焼式タバコ)とは異なる新しいタバコ製品であり、葉タバコを加熱することによりニコチン含有エアロゾルを発生させて吸引するタイプ(非燃焼・加熱式タバコ)、液体(ニコチンを含むもの、あるいは含まないもの)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプ(電子タバコ)とがあります。

1.電子タバコ E-cigarettes

a). 液体(リキッド)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプ
b). 液体(リキッド)には、ニコチンを含むものと含まないもの、の2種類があります。
・ニコチンを含むもの:electronic nicotine delivery systems (ENDS)
・ニコチンを含まないもの:electronic non-nicotine delivery systems (ENNDS)
日本では、医薬品医療機器法(旧 薬事法)による規制により、ニコチン入りリキッドは販売されていません。

2.非燃焼・加熱式タバコ Heat-not-burn tobacco

a). 葉タバコを直接加熱し、ニコチンを含むエアロゾル吸引するタイプ(商品名 iQOS, glo)
b). 低温で霧化する有機溶剤からエアロゾルを発生させた後、タバコ粉末を通過させて、タバコ成分を吸引するタイプで、電子タバコに類似した仕組み(商品名 Ploom TECH)

非燃焼・加熱式タバコやニコチン含有の電子タバコには、従来型の燃焼式タバコと同様に依存性薬物であるニコチンが含まれています。これらの新型タバコは、「煙が出ない、あるいは煙が見えにくいので禁煙のエリアでも吸える」、「受動喫煙の危険がない」、「従来の燃焼式たばこより健康リスクが少ない」と誤認され、急速な広がりをみせています。
非燃焼・加熱式タバコや電子タバコは、燃焼式タバコをやめられない人、あるいはやめる意志のない人にとっては健康被害の低減につながるとして、従来の燃焼式タバコ使用者は代替品として電子タバコを使用することを推奨する考え方があります。しかし、これらの新型タバコの使用と病気や死亡リスクとの関連性については現時点では明らかでなく、推測にすぎません。非燃焼・加熱式タバコの主流煙中に燃焼式タバコとほぼ同レベルのニコチンや揮発性化合物(アクロレイン、ホルムアルデヒド)、約 3 倍のアセナフテンという有害物質が含まれていることが報告されています 。
新型タバコは周囲の人々への受動喫煙の危険が指摘されています。「煙が出ない、あるいは煙が見えにくい」とされていますが、特殊なレーザー光を非燃焼・加熱式タバコ使用者の呼気に照射すると、大量のエアロゾルを呼出していることが明白になります。従来の燃焼式タバコ 使用者の呼出煙(“見える煙”)と同様に、大量の“見えにくいエアロゾル”を呼出しています。 世界保健機構では、「電子タバコのエアロゾルにさらされると、健康に悪影響がもたらされる可能性がある」と指摘しています。“見えにくいエアロゾル”中には通常の大気中濃度を上回る有害物質があるわけですから、「受動喫煙者の健康 を脅かす可能性があると考えることが合理的である」と世界保健機構は述べています。特に、呼吸器疾患を持つ患者さんや冠動脈疾患をもつ患者さんなどにとっては有害な影響がでることが懸念されます。また、何よりも、このような有害物質を含む呼出煙を吸わされることを望む方はいないでしょう。
新型タバコは、従来の燃焼式タバコに比べてタール(タバコ煙中の有害物質のうちの粒子成分)が削減されていますが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品です。従って、使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は推奨できません。

上記のとおり呼吸器学会の見解からも完全な禁煙に向けて、加熱式タバコが役立つという科学的な根拠は確立されていません。

タバコによる健康被害

タバコには50種類以上の発癌性物質が含まれており、肺癌、食道癌、胃癌、子宮癌、膀胱癌、喉頭癌、口腔内癌など様々な癌を引き起こすことがわかっています。さらにタバコの煙には、人への発癌性も証明されています。また癌以外にも脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドローム、胃潰瘍、COPD、肺炎、気管支喘息、うつ病、甲状腺機能亢進症、骨粗鬆症、EDなど全身の病気のリスクを高めることがわかっています。

タバコをやめて健康を取り戻しましょう

禁煙を続けることができれば、タバコでダメージを受けた体も健康に近づいていきます。 禁煙を1ヶ月続けると、咳やたん、喘鳴などの呼吸器の症状が改善します。呼吸器の機能は禁煙の継続とともにさらに良くなっていきます。 禁煙期間が2~4年もすれば、狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気のリスクが、タバコを吸う人と比べて著しく低下します。 10年を経過すると、がんのリスクも低下します。10~15年経つと、咽頭がんのリスクが、タバコを吸う人と比べて60%も低下します。また、10~19年で、肺がんのリスクが、タバコを吸う人と比べて70%も低下します。さらに、20年で口腔がんのリスクが、タバコを吸わない人と同レベルになります。 このように、禁煙の生活が長くなればなるほど、タバコを吸わない人と同じ健康状態に近づきます。禁煙が遅いということはありません。喫煙生活を見直してみましょう。

禁煙をするとお金も貯まります

タバコをやめることで、健康面だけでなく金銭面でもメリットを実感できます。 たとえば、タバコ(500円)を1日1箱吸っている人で計算してみましょう。1日の禁煙で500円だとあまりメリットを感じないかもしれませんが、1年間で約18万円も貯まります。さらに、10年間、20年間と続けて、禁煙20周年で365万円も貯まります。禁煙貯金をはじめてみるのも良いでしょう。 タバコをやめることで、自分や家族が快適で余裕のある生活を送れます。将来のために、禁煙を考えてみませんか?

禁煙外来の流れ

1ニコチン依存症のテスト

やめたくてもやめられない喫煙習慣のことを「ニコチン依存症」と言い、治療が必要な病気とされています。「ニコチン依存症を判定するテスト」でニコチン依存症かどうかをチェックします。 2006年4月から、ニコチン依存症の方は一定の条件を満たせば、健康保険等を使って禁煙治療を受けることができるようになりました。 その条件は、以下の4つです。

  • ニコチン依存症の判定テストが5点以上
  • (1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数)>200
    (2016年4月より35歳未満には上記要件がなくなりました)
  • ただちに禁煙を始めたいと思っている
  • 禁煙治療を受けることを文書で同意している

2呼気の一酸化炭素濃度を測定します。

呼気中にタバコの有害物質である一酸化炭素がとのくらい含まれているかを測定します。

3治療開始

禁煙開始日を決め、禁煙補助薬の内服を開始します。

4再診

再診時は毎回の呼気中の一酸化炭素濃度を測定し、薬の副作用・効果を確認します。

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