ブログ

貧血の話 その2 鉄欠乏性貧血

クリニックブログ

前回は「貧血ってどうやって判定するの?」という定義のお話でした。
今回は貧血の中でも一番よくある「鉄欠乏性貧血」について説明します。

鉄欠乏性貧血とは、文字通り「鉄分」が「不足した」ために起こる貧血です。
何故鉄分が減ると、貧血になるのでしょうか?

左の「赤血球」の中に「ヘモグロビン」というタンパク質があります。ヘモグロビンは酸素の運び屋で、全身に酸素を届けることが、赤血球の主な仕事です。そのヘモグロビンを作るために不可欠なもの、それが「鉄」です。
食べ物から摂る鉄は大事ですが、すぐに貧血にならないように「貯蔵鉄」といって体にため込んでいる鉄分もあります(=フェリチン)。それまで使ってしまった場合、いよいよ貧血となります。

鉄欠乏性貧血の診断は比較的簡単です。素材不足で作られた赤血球は色が小さくなったり(=小球性)、赤い色が薄くなったり(=低色素性)する貧血になり、体の中の鉄分を測定することで診断が確定します。


しかし、問題はそこから。鉄分が不足したら治療は補えばいいのですが、何故鉄分が不足したのか、しっかり原因を探ることが重要です。
女性なら・・・月経による出血(子宮筋腫などの過多月経含む)、無理なダイエットによる栄養不足
比較的お若くてお元気な人なら・・・胃潰瘍や大腸ポリープ、痔核などからの出血
比較的ご高齢の方なら・・・胃癌や大腸癌からの出血
等を考えて検査を進めていきます。

治療は内服薬(錠剤やシロップ)、注射薬など色々な形で補充していきます。もちろんバランスよい食事、鉄分の多い食事も心がけてください。通常ヘモグロビンは1-2週間で増加し始め、6-8週間くらいで正常化します。しかし、貯蔵鉄であるフェリチンが回復するまで鉄剤を継続する必要があるため、数ヶ月~半年程度の内服が必要なことが多いです。

鉄分の多い食材例(レバー、ひじき、卵、大豆、鰹、アサリ、赤貝、ホウレンソウ、小松菜)

内科・血液内科
専門医 西村倫子
診療担当時間 火曜日9時30分~12時30分