大腸ポリープ

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは大腸ポリープは、大腸にできるイボのような隆起性の病変です。
形はさまざまで、大きさも1mm程度から5cm以上まであり、炎症性のもの、過誤種腫性(大腸粘膜に迷入した細胞から発生する)、腫瘍性のものなどがあります。
大腸ポリープの8割以上は腫瘍性のものと考えられており、腫瘍性のポリープは放置すると少しずつ大きくなり、5年ぐらいでがん化する可能性もあります。そのため、疑わしいポリープを切除することは、大腸がん予防に高い効果が期待できます。

大腸ポリープ切除の重要性

大腸がんは大腸ポリープが成長していく過程の中で生まれ、1つのがん細胞が何年もの時間を経て進行大腸がんになり、やがてリンパ節や肝臓などに転移していきます。ポリープの段階で内視鏡を用いた切除を行うことは進行がんになる芽を摘むことであり、すでに大腸ポリープががん化していても早期であれば内視鏡切除で治ります。

切除方法

切除方法大腸ポリープは内視鏡を使って、以下のように治療することが可能です。

内視鏡的ポリペクトミー

内視鏡の先端についているループ状のスネアという電気メスをポリープの付け根にひっかけ、徐々にスネアを締め、電気を流して焼き切る手法です。ポリープ切除で一般的に行われているもので、切り取ったポリープは顕微鏡で病理検査を行って、がん細胞がないか確認します。

内視鏡的粘膜切除術

平坦なポリープや早期大腸がんに用いられる手法です。ポリープに生理食塩水を注入してからスネアをかけて締め付け、切り取ります。回収した組織は検査を行います。
ポリープや大腸がんは腸の一番内腔を覆っている層である粘膜層から発生するため、早期のポリープや大腸がんは平坦なことがよくあります。一般的な手法で平坦なポリープや大腸がんを切除すると筋肉より深い層にダメージを与える可能性があり、腸に穴が開いてしまう恐れがあります。この手法では、粘膜層のすぐ下にある粘膜下層に専用の液体を注入することで粘膜層を持ち上げることで安全・確実に切除することが可能です。

コールドポリペクトミー

近年、この大腸ポリープ切除を行う際、通電せず、スネアで引きちぎるように切除すると、切除後の出血や穿孔(腸に穴があいてしまうこと)などの合併症が少ないとのことで徐々に普及してきています。通常通り通電してから切除すると周囲粘膜や病変底部に熱傷がおき、その部分が切除後しばらくしてから脱落することで出血や穿孔の合併症が起こってくるのですが、逆に言えば病変周囲の脱落により完全切除率が高くなると考えられ、通電しないコールドポリペクトミーでは病変が残存し再発率が高くなってしまう可能性も指摘されています。当院では抗血小板薬が中止できないなど、リスクの高い症例を選択しコールドポリペクトミーを行っています。

実際の症例

以下のように、大腸ポリープは内視鏡的に治療することができます。

実際の症例です。

切除後の注意事項

日帰りポリープ切除は日帰りとはいえ手術です。切除時には出血していなくても、切除後2週間ぐらいまでは出血(0.6%)が起こる可能性があります。また、切除後約3日間までは腸に穴があいたり腹膜炎等が起こる危険性(0.04%)もあります。そのため、帰宅後はご自宅で安静を保つなど、患者様にお守りいただく必要がある注意点がいくつかあります。以下の事をご理解いただいた上でご予約ください。

切除後2週間は、切除でできた傷が治る期間のため、その間は下記の注意点をお守りください。また、予約日時を選ぶ際には、2週間後までこうした注意点を守れるスケジュールをお考えください。

※切除したポリープの大きさ、形、数などにより、安静が必要となる日数は変わります。

切除日から3日間

できるだけ安静に過ごします。
充血から出血を起こしやすくする長時間の入浴や熱い湯につかるのは避け、シャワーや短時間の入浴にとどめます。
事務系の仕事や簡単な家事であれば翌日から可能な場合があります。

切除後2週間

重いものを持つなど力仕事や重労働は、腹圧がかかりますので切除後2週間はできません。
飲酒も出血の原因になるため、10日~2週間は禁止です。
運動については、腹圧がかかり、出血を起こす可能性があるため、2週間はできません。テニス・ゴルフ・水泳・ジョギングなどのほか、自転車に乗ること、また30分以上の連続歩行も避けてください。
旅行や出張は、出血等の際に緊急止血処置が迅速かつ的確に行えない可能性がありますので、2週間は避けてください。

服薬中の方

抗凝固薬や抗血小板薬を服用していると出血リスクが高くなるため、抗凝固薬や抗血小板薬を一時休薬した上でのポリープ切除が望ましいです。バイアスピリン・プラビックス・プレタール・ワーファリンなどの脳梗塞・心臓病・その他血栓症の予防薬などがあるため、内視鏡検査の1週間前までに外来診察でお薬手帳などを確認しています。また、休薬によって血栓症のリスクが高まるため主治医の先生に確認が必要になる場合もあります。 

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